modify [詩・画]
散りばめられた 眩い
想い出という記憶が
少しずつ
明りを消してゆく
まるで眠りに就くように
君は遠くから そっと
その指先ひとつで
私の想いすら
操れるのだね
そのタクトのリズムで
揺蕩う想いに合わせて
重ねてきた時の記憶が
目の前から遠ざかるように
露のように零れ落ちた
それが寂しくないと言えば
嘘になるけど
きっと このまま
立ち止まっていられない
だから 少しずつ
苦しくても
迷い子にならないように
私は私の道を探して
歩き出そうと思う
(C) 2019 Naho Yūki All right reserved
明日は… [詩・画]
冷たい風に身を切られ
疲れた身体をコートに包み
残業で遅くなった帰り道
ふと君を想う
声が聞きたいけれど
こんな遅くに迷惑かなと
コールを鳴らさずに
携帯電話の画面を閉じる
今君はどんな夢を見ていますか
楽しい時間を過ごしていますか
温かな色に包まれていますか
何より幸せですか
ゆっくりと眠りに落ちた先にも
笑顔でいて欲しいと願う
明るい日差しに包まれて
目が覚めたその時にも
今日という日が明日に繋がり
明日という日も
またその先に繋がってゆく
繰り返しの日々の中で
どんなに離れていても
気持ちは傍にいること
お互いに解っているから
寂しくなんてないよ
そうさ、でもやっぱり
明日は電話しても良いかな
なんだかんだ、やっぱりさ
君の声が聞きたいんだ
(C) 2018 Naho Yūki All right reserved
Piece of the dream [詩・画]
拾い上げても
繋ぎ合わせられない
散らばったままの
僕の夢の欠片
まだ綺麗なのに
バラバラのまま
突然目の前で崩れて
片付けもできないまま
どんな形だったのか
思い出せない
拾い集めて
あの空に投げたら
満天の星空に流れ星
ねぇ 一瞬だけ
夢を叶えてよ
一生なんて
望まないから
(C) 2017 Naho Yūki All right reserved
style [詩・画]
そんなに気を使わないでいいよ
自然なままでいいよ
無理はしないで
君は君のスタイルで
僕は僕のスタイルで
あの時を変えたいと思ったのは
自分一人の想いだけで
何一つ結局は
変わりはしなかった
僕じゃダメなんだと
ときどき思い知らされる
ちっぽけな自分の
その先に何かを見ていた
そんなに気を使わないでいいよ
自然なままでいいよ
きっとこれからも
君は君のスタイルで
僕は僕のスタイルで
(C) 2017 Naho Yūki All right reserved
恋人 [詩・画]
あなたの横を歩く時
ごく自然に手を繋ぐとか
あなたと一緒に眠る時
どちらともなく寄り添うとか
当たり前じゃないけど
無意識だからこそ
心の澱を
クリアにしてくれる
二人で積み重ねてきた時は
かけがえのない
やさしい時間になるの
(C) 2017 Naho Yūki All right reserved
混沌 [詩・画]
意識していない事が
罪だったみたいに
それはまるで
何かにはじかれたように
突然に
少しずつ 均衡が崩れて
気付くのが遅いって
言われてしまいそう
水を張ったグラスに
一滴の墨を垂らすよう
緩やかに広がり
混ざり
やがて
混沌としてゆく
(C) 2017 Naho Yūki All right reserved
step by step [詩・画]
時薬なんて言うけど
すべてが癒せる訳じゃない
限界はあるのよねと
涙が出ることの
急いた気持ちで考えていた
何も変わらない今に
馬鹿みたいに
何を焦っていたのかな
夢追い人のように
自由になりたい気持ちは
矛盾だらけで
大人になる事の意味を
手探りで探していた頃と
そう大して変わらない
誰かに何かを求めているうちは
自由になんてなれないと
繰り返す時の中で ようやく気付けたの
だからこの先は
積み重ねてきた時を道連れに
次は自分独りの足で
一歩前に進んでみよう
(C) 2017 Naho Yūki All right reserved
反転 [詩・画]
何を言われても 大丈夫な程
私は強くなくて
ちょっとした事で
崩れそうになる
無を装う事で
やり過ごした日々
強くなれた訳じゃないよ
逃げてきただけ
デリカシーの欠片すらない
その言葉で 少しずつ
取り戻したはずの
人生の彩が
眼前の世界が
瞬く間に反転する
これ以上 壊さないで
これ以上 追い詰めないで
コールタールのような
真っ黒な感情に
支配されたくないの
(C) 2017 Naho Yūki All right reserved
哀絶 [詩・画]
確かに受け止めていたはずだけど
いつの間にか零れて行く
想いは途切れ途切れ
この絆を 私は
どうやって繋げて行けばよいだろう
想いや 気持ちは
心に残ってゆくものだけど
今はもう 小さくなった
その身体が その灯が
消えかけている
身動きが取れなくて
息苦しくて
未だ 受け入れられない
いつかはたぶん そう遠くなくて
悲しみが 身体を蝕んでゆく
(C) 2017 Naho Yūki All right reserved